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スポーツの報道にみる言葉の使い方

私はサッカーや野球をはじめ、
様々なスポーツが好きです。

<世界 VS アジア>
スポーツのゲーム自体は素晴らしいものですが、
それが報道される言葉には、私はほとんどいつも
違和感をもっています。

2001年に、サッカーの日本代表が
フランス代表と対戦したときのことです。

その当時は、フランスがワールドカップで
優勝してから数年後であり、
フランスは「世界チャンピオン」でした。

そして、日本代表はアジアカップで
優勝して間もないころであり、
「アジアチャンピオン」ということができました。


<予告>
このようなフランスと日本の試合を中継する
予定であったテレビ局は、
試合の何日も前から宣伝を行いました。

その宣伝の言葉は、
「世界チャンピオン 対 アジアチャンピオン」
というものでした。

この宣伝の言葉がいかに奇妙なものであるのか
お気づきでしょうか?


<試合の前から勝敗は決まっている>
アジアは世界の一部です。
ならば、世界チャンピオンがアジアチャンピオンよりも
強いことは、試合の前から決まっているのです。

言い換えれば、この宣伝の言葉によって
どちらが勝つのかが試合の前に決められて
しまったのです。

このような解釈がされるにもかかわらず、
試合を放送したテレビ局は、
連日、「世界チャンピオン 対 アジアチャンピオン」
という言葉を用いて、宣伝を大々的に
行っていたのです。


<ほとんど毎日>
このようなおかしな言葉の使いかたは、
とくにスポーツの報道では、枚挙に暇がないのです。

バンクーバー冬季オリンピックが開幕して
間もないころ、私はテレビの報道番組で、
「日本選手、入賞ラッシュ!」
という言葉をたまたま見つけました。

入賞とはオリンピックでは、8位以内に
入ることを意味します。

この報道番組が放送された時点で、
入賞した日本人選手は
何人だったと思われるでしょうか?

答えは、3人です。
入賞した選手の活躍はすばらしいと
掛け値なしに称えることができます。

しかし、3人の入賞選手に対して
「入賞ラッシュ」という言葉を
使ってしまう報道とはいかなるものでしょうか?


<慣らされてはいけない>
私たちの周りには、おかしな言葉遣いが
ある意味、氾濫しています。

私が気にかかることは、
少なくとも私の周囲には、
今回述べたようなおかしな言葉遣いに対して、
批判する人がいないことです。

私は、新聞の言葉でも、テレビの言葉でも、
それを受け止めるときには、
敏感であるべきだと思っています。

それは、常に、誰かが発する言葉の間違いを
探し続けるべきという、意地の悪いものでは
ありません。

間違った言葉遣いがされているにもかかわらず、
それに気付かないでいることは、
「思考停止」
を意味するのです。

言い換えれば、私たちのまわりの
おかしな言葉遣いに気付こうとすることは、
常に、頭を「オン」の状態にしておく必要があるのです。

私は、人の言葉の間違いを探すことを
勧めているのではありません。

常に頭を「オン」の状態にしておくこと、
このことを、とくに生徒たちには
勧めたいと思っています。


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